このページでは、光ファイバに関する知識や、ライトガイド、バンドルファイバなどの情報を簡単に紹介しています。知りたい項目をクリックすると、回答が表示されます。
光ファイバについて
光ファイバとは?
光ファイバー(ひかりファイバー、英語: Optical fiber)とは、離れた場所に光を伝える伝送路である。
光ファイバの特徴について
電磁気の影響を受けずに極細の信号線で高速信号が長距離に伝送出来るため、デジタル通信を中心に多くの通信用途に使用されている。2008年現在、1本の光ファイバーの伝送能力は100 Tbpsを越える程度である。無中継での伝送では100 km間隔のものが実用化されている。
光ファイバの構造について
光ファイバーはコア(core)と呼ばれる芯とその外側のクラッド(clad)[注 1]と呼ばれる部分、そしてそれらを覆う被覆の3重構造になっていて、クラッドよりもコアの屈折率を高くすることで、全反射や屈折により出来るだけ光を中心部のコアにだけ伝播させる構造になっている。コアとクラッドはともに光に対して透過率が非常に高い石英ガラスまたはプラスチックでできている[3][2]。
また、被覆がないコアとクラッドのみの状態を単に「光ファイバー」と呼び、光ファイバーの表面をシリコーン樹脂で被覆したものを「光ファイバー素線」、光ファイバー素線をナイロン繊維で被覆したものを「光ファイバー心線」、光ファイバー心線を高抗張力繊維と外皮で被覆したものを「光ファイバーコード」とする呼びかたもある。複数の光ファイバー心線に保護用のシースと呼ばれる被覆をしたものを光ファイバー・ケーブルと呼ぶこともある。
光ファイバ構造の種類(マルチモードファイバ)
マルチモードファイバは、ファイバ内を光が進むときに複数の進み方がある光ファイバです。SI 型(ステップインデックス型)ファイバとGI 型(グレーデッドインデックス型)ファイバの2種類となります。
①SI(ステップインデックス)型MMF
SI 型MMFではコア内の光はクラッドで反射されながら進みます。コアへの光の入射角度が異なると光の進み方が変わります。広角で入射した光は低角で入射した光より同じファイバ長を進むのに反射回数が多いため多く時間がかかります。その結果、パルス信号光を入射した場合、光が進むにつれパルス光の幅が広がり前後のパルスが重なってしまう為通信に使われることはありません。一方、コア径を大きくできるので光のパワーを伝送する用途に使われます。
②GI(グレートインデックス)型MMF
GI 型MMFはパルスが広がるSI 型MMFの欠点を改良した光ファイバです。コアの屈折率が一様ではなく、中心が高く外側に行くほど低くなっています。中心に近いほど光の進む距離は短いのですが、屈折率が高いので進む速度が遅くなります。逆に、中心を外れるほど進む距離は長いのですが、屈折率が低いので進む速度が速くなります。この結果、何れの進み方をする光も同じファイバ長をほぼ同時間で進むのでパルス光の広がりが小さくなり、短距離通信に使うことが出来ます。
光ファイバ構造の種類(シングルモードファイバ)
シングルモードファイバはSI 型MMFのコア径を小さくした構造となり、通信線路として最も一般的に使われている光ファイバです。コア径が十分小さくなると光の進み方は直線的に進む一つだけになります。従って、MMFのような光の進み方が原因のパルス広がりがなく、多くのパルス信号を送ることが出来ます。
光ファイバ構造の種類(ダブルクラッドファイバ)
ダブルクラッドファイバはハイパワーのファイバレーザや光アンプの増幅媒体としてよく使われる光ファイバで、クラッドが二つあり、光はコアと内側の第1クラッドの両方を伝搬します。コア径を小さくすればコアを進む光はシングルモードとなり、大きくすればマルチモードとなります。
光ファイバ構造の種類(フォトニック結晶ファイバ)
フォトニック結晶ファイバは、コアの周囲にホール(空孔部)を幾何学的に配置した構造になっています。空孔部の屈折率はほぼ1(空気の屈折率が約1なので)で他の部分(石英の屈折率は1.46)に比べ非常に小さくなっています。この特殊な構造のため大きなコア(MFD)でもシングルモード伝搬できたり、非常に小さなコアに光を閉じこめて大きな非線形効果を得ることが出来ます。
光ファイバの用途について
様々な構造や材質の光ファイバがありますが、これらはどのように使われているのか一覧にまとめました。
■光通信(伝送路/光アンプ/光部品)
・ファイバの材質:石英ガラス、ふっ化物ガラス、プラスチック
・ファイバの構造:シングルモード、GI 型マルチモード、ダブルクラッド
■センサ(歪み/温度/ジャイロ)
・ファイバの材質:石英ガラス
・ファイバの構造:シングルモード
■ファイバレーザ(加工、計測)
・ファイバの材質:石英ガラス、ふっ化物ガラス
・ファイバの構造:ダブルクラッド、シングルモード
■光パワー伝送(レーザ光のガイド)
・ファイバの材質:石英ガラス、ふっ化物ガラス
・ファイバの構造:SI 型マルチモード
■その他(赤外分光/SC光源発生/照射器)
・ファイバの材質:カルコゲナイドガラス、ふっ化物ガラス、石英ガラス、多成分ガラス
・ファイバの構造:SI 型マルチモード、フォトニック結晶ファイバ
ライトガイド(バンドルファイバ)とは!?
ライトガイド(lightguide)は、光源装置から光を伝搬する目的で用いられています。
光源装置に接続し、入射した光を効率的に伝搬する形で使用されています。
一般的には、石英やプラスチック等の細い光ファイバが複数本格納されている、光ファイバをバンドル状に束ねた構造のライトガイド(バンドルファイバ)が用いられています。
ライトガイド(バンドルファイバ)の形状
「一つの光源装置から、光を分岐させて使用したい」というケースがあります。
高価な光源装置の台数を減らし、コストを抑制する目的や、設置スペースの関係等もあります。
そうした場合、分岐したライトガイドを用いることで、対応します。
一つの光源装置に対し、枝分かれしたライトガイドが用いられます。
こちらが2分岐のライトガイドです。
高価な光源装置の個数を抑えながら用いることができるというメリットがあるため、2分岐、3分岐、4分岐といった多分岐でも用いられています。
分岐させることで、用途に合わせて、ヘッドを交換するという柔軟な対応が可能です。
しかし、当然ながら、1つのヘッドから出力される光は分岐させた数の分だけ減少します。
単純なイメージでは、2分岐させた場合、一つのヘッドから照射される光は入射された光量の1/2以下になります。(分岐後の光の出力については各ライトガイドの仕様によって異なります。)
入射時の光の損失をいかに抑えるか?
ライトガイドは、光源装置から照射される光を伝搬するものです。そのため、光を損なうことなくヘッドまで伝搬する必要があるのですが、光がファイバ内を進む過程で、損失が起こります。しかし、こうした損失は、わずかなもので、ライトガイドの長さが短い場合はほとんど問題になりません。
もっとも損失が起こるのは、光源装置からライトガイドへ光が入る「入射時」です。
「入射時の光の損失」
従来型のライトガイド(バンドルファイバ)はその構造上、ファイバとファイバの間に「隙間」が生じます。
ライトガイドへ光が入る際、この「隙間」には光が通らないため、ここで損失が生じます。
ここでの光の損失が大きいため、ヘッドまで伝搬される光が減少し、結果的にハイパワーでの出力が難しいという事態が生じます。
そのため、高い照射強度を求める用途では「入射時の損失」が、ボトルネックになっています。
UV硬化の仕組み UV硬化とは!?
UV硬化(紫外線硬化:UV curing)とは、紫外線硬化樹脂などへ、紫外線を照射することで重合反応が起こり、液体から固体となるプロセスや方法を指します。
UV硬化は、産業界全般において、欠かせない基礎技術として様々な分野で利用されております。
例えば下記用途で用いられています。
・紫外線照射装置によるUV接着、粘着材、光学レンズ、ラミネート
・表面コーティング(木材、金属、プラスチック等)
・半導体製造工程におけるフォトレジスト
・UVインクの硬化、電子部品の印字硬化
・歯科材料、3D光造形
・液晶フィルムディスプレイ基板の仮止め
UV硬化のメリット
・固まるのが数秒と高速のため、製造ラインのボトルネックになりにくい。
・電力消費が大きな熱乾燥処理が不要。乾燥のための広い空間が不要。
・ワークに対する熱ダメージが小さい。
・固まる際に揮発性の有害物質が発生しない。
・精密さを要求される分野で有用。
CONTACT
光ファイバ関連製品の組み立てはもちろん、精密部品のアッセンブリのことならなんでもご相談ください